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日中科学技術政策セミナーに出席

2018年9月6日(木)および7日(金)に、日中科学技術政策セミナーが四川省成都市で開催され、本会より家泰弘 理事と廣田薫 北京研究連絡センター長、夏本華芳 国際協力員が出席しました。

同セミナーは、中国科学院と文部科学省が主催し、日中両国における科学技術の現状や課題、今後の発展について共有、議論するもので、第11回目を迎えた今回のテーマは「デジタル技術革新を踏まえた科学技術、経済、社会及び環境発展に与える影響:その政策と実践」でした。

セミナーは、李寅 中国科学院国際合作局副局長の司会により進行され、冒頭の開会式では、中国側を代表して方新 中国科学院大学公共政策与管理学院院長より、丁仲礼 中国科学院副院長の挨拶が代読され、日本側を代表して山脇良雄 文部科学審議官より挨拶がありました。また、今回のセミナーの協力機関である中国科学院成都分院の陳鋒 常務副院長と、実施機関である中国科学院成都山地災害及び環境研究所の文安邦 所長からも挨拶がありました。

基調講演では、方新 中国科学院大学公共政策与管理学院院長より、デジタル技術革新における法規制と保障について、また濱口道成 科学技術振興機構理事長より、デジタル技術革新を踏まえた日本の科学技術政策についての講演が行われ、両国のデジタル技術革新を取り巻く現状と課題、そして取組みが共有されました。

基調講演を行う 方 院長 基調講演を行う 濱口 理事長

その後のセッション(下記参照)では、各テーマに関して両国のパネリストからの発表と議論が行われました。

セッション1:デジタル技術革新を踏まえた科学、技術、イノベーション及び発展
科学技術重点分野の選択、科学研究の取組みへの影響及び政策課題について
・黄晨光(中国科学院発展企画局副局長)
・坪井裕(文部科学省科学技術・学術政策研究所所長)
・家泰弘(日本学術振興会理事)

セッション2:デジタル技術革新を踏まえた産業のイノベーション及び発展
経済発展へのチャンスとチャレンジ、特に新型産業の発展、伝統産業の変革及び向上への影響及び政策課題について
・穆栄平(中国科学院科学技術戦略咨詢研究院書記)
・杉村領一(産業技術総合研究所情報・人間工学領域上席イノベーションコーディネータ)
・袁家虎(中国科学院重慶グリーン智能技術研究院院長)
・武田晴夫(株式会社日立製作所 理事・技師長)

セッション3:デジタル技術革新を踏まえた社会のイノベーションと発展
ビッグデータ、ソーシャルプラットフォーム及び人工知能などのデジタル技術革新を踏まえた、医療衛生、教育、公共安全、交通運輸及び社会保障などの公共サービスへの影響及び政策課題について
・高福(国家自然科学基金委員会副主任、中国科学院院士)
・鄭永和(北京師範大学教育部教授)
・加藤重治(理化学研究所理事)

セッション4:デジタル技術革新を踏まえた環境の持続的発展
環境保護保全、防災及び災害影響の減少への影響及び政策課題、デジタル技術革新を踏まえた防災科学技術について(大気汚染対策や地震・土砂災害などの実例の紹介を含む)
・朱永官(中国科学院アモイ都市環境研究所副所長)
・林春男(防災科学技術研究所理事長)
・文安邦(中国科学院成都山地災害及び環境研究所)
・原澤英夫(国立環境研究所理事)

セッション終了後、現代のデジタル技術革新を踏まえた日中の主要課題等について、全体で意見交換を行い、今後の協力の可能性について総括しました。最後に、次回の開催についても言及し、方新 中国科学院大学公共政策与管理学院院長および有馬朗人 科学技術振興機構中国総合研究交流センター長の挨拶を以て二日間にわたるセミナーは締めくくられました。

セミナー終了後は、エクスカーションがあり、2000年の歴史を持つ水利施設である都江堰や2008年5月12日に起きた四川汶川大地震の遺跡・記念館などの見学をしました。

発表を行う 家 理事 汶川大地震の遺跡