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黒川眞一(KEK名誉教授)2012年度中華人民共和国国際科学技術合作賞受賞について

2013年1月18日(金)、中華人民共和国北京人民会堂にて、国務院主催による国家科学技術奨励大会が開催されました。この奨励大会には、胡錦濤国家主席、習近平共産党総書記、温家宝総理、李克強副総理他多くの関係者が出席し、盛大に開催されました。その奨励大会の席上で、国家最高科学技術賞をはじめとする、国家自然科学賞、国家技術発明賞、国家科学技術進歩賞、国家科学技術合作賞といった賞の授賞式が行われ、黒川眞一先生は2012年度の国家科学技術合作賞を受賞しました。

画像:黒川先生よりのご提供

国家科学技術合作賞は、中国の科学事業に重要な貢献を果たした個人または団体に対して授与される賞です。黒川先生は、日中の学術交流や技術協力における長きにわたる貢献とそのリーダーシップが高く評価され、中国科学院の推薦により受賞されました。黒川先生は、2012年1月に中国科学院国際科技合作賞を受賞し、同年9月に中華人民共和国友誼賞を受賞しました。そしてこのたび国家科学技術合作賞を受賞するに至っています。2012年度は、黒川先生を含む5人の外国籍の科学者がこの賞を受賞しました。国家科学技術奨励大会の授賞式では、李克強副総理よりお祝いの言葉とともに直接賞状が渡され、その後祝賀会にて劉延東国務委員より記念メダルが授与されました。

画像:黒川先生よりのご提供

黒川先生は日中間およびアジア地域における加速器科学研究における協力関係構築に尽力して来たほか、日本学術振興会の中でも古い事業の一つである拠点大学交流事業を2000年より開始させました。北京の高能物理学研究所や上海放射光施設などとの共同研究を10年間行ってくるなど、日本学術振興会とは深い関係がある先生です。日本学術振興会北京研究連絡センターとしては、主催し開催する予定であった日中国交正常化40周年の記念事業『日中学術交流のこれまでの歩みと今後の展望』シンポジウムの基調講演を依頼していました。また黒川先生が中国を訪問された際にオフィスに立ち寄っていただくなど黒川先生との交流を続けてきたことから、このたびの国家科学技術合作賞を受賞されたことに対してお祝いの会を開催いたしました。

画像:黒川先生よりのご提供

授賞式の翌日の19日(土)に開催したお祝いの会には、黒川先生と黒川夫人のほか、在中国日本国大使館やJST北京代表処、理研北京代表処などの日本の在中政府機関関係者が出席しました。最初に佐々木北京研究連絡センター長よりお祝いの言葉が述べられ、黒川先生より日本学術振興会の支援に対する感謝の気持ちが述べられました、その後授賞式で授与された賞状やメダルを披露していただき、花束の贈呈とともに記念撮影を行いました。引き続いて黒川先生を囲んでの座談会を開催し、黒川先生より授賞式の様子ら今後について語っていただきました。黒川先生にお聞きすると、今回で訪中回数は62回となるそうです。これからも日本と中国の科学技術交流の発展のために力を尽くされると語っていただき、今後益々の活躍が期待されます。現在日中関係が政治的な緊張下にある中で、このように学術の分野で貢献のあった日本人研究者に対して最高の賞が贈られたというのは、日中の学術界にとって非常に意義のあることだと思います。北京研究連絡センターとしては、今後もこのように日中学術交流に携わる研究者を支援することを通じて、中国における日本の学術交流を展開していきたいと考えております。

画像:日本学術振興会北京研究連絡センター提供

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http://www.gov.cn/ldhd/2013-01/18/content_2314859.htm(中華人民共和国中央人民政府)

http://news.cntv.cn/2013/01/18/VIDE1358518874675717.shtml(CCTV1ニュース、2013年1月18日夕方)

http://newsline.linearcollider.org/2013/02/07/shin-ichi-kurokawa-awarded-chinese-top-prize/(ILC Newsline)