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日中韓フォーサイト事業シンポジウム

「天然物の合成生物学とケミカルバイオロジー」

“Chemical & Synthetic Biology of Natural Products”

2016年8月22日(月)及び23日(火)の2日間、上海交通大学において、第1回日中韓フォーサイト事業シンポジウム「天然物の合成生物学とケミカルバイオロジー(Chemical & Synthetic Biology of Natural Products)」が開催されました。

日中韓フォーサイトとは、JSPSと、中国国家自然科学基金委員会(NSFC)·韓国研究財団(NRF)が連携した事業であり、毎年8月から開始されます。今年は「ケミカルバイオロジー」分野で2件が採択されましたが、東京大学の大西康夫教授、中国科学院院士であり上海交通大学の鄧子新教授、仁荷大学校のEung-Soo KIM教授による共同研究プログラムでは、今回、早速、標記のキックオフシンポジウムが開催され、3か国から約60名の研究者が一堂に会しました。

会場の様子

開幕式では、上海交通大学の白林泉教授の進行のもと、同校生命科学技術学院の馮雁副院長による挨拶があった後、当センターの廣田センター長から挨拶およびJSPSの概要及び外国人特別研究員事業を中心とした事業説明が行われました。次に、鄧子新院士より、各国からの参加者に対して謝辞が述べられるとともに、この事業には非常に大きな期待を寄せている旨の発言がありました。

廣田センター長による挨拶 鄧子新教授による挨拶

続いて、Eung-Soo KIM教授、大西康夫教授、白林泉教授から、研究内容の簡単な紹介とともに、今回の研究ネットワークの特徴や期待される成果、今後の研究計画について発表がありました。3人の個性的な発表に、参加者たちは真剣に聞き入る様子が見受けられました。

Eung-Soo KIM教授 大西康夫教授 白林泉教授

初日のシンポジウムでは、3つのセッションが設けられ、3か国それぞれ4名、計12名が発表を行いました。日本側の4名は、東京大学の勝山陽平講師、尾仲宏康特任教授、葛山智久准教授、東京工業大学の工藤史貴准教授で、最新の研究成果が紹介されました。また、各セッションの質疑応答では、限られた時間の中、会場の参加者から多くの質問や意見が寄せられ、熱のこもった議論が交わされました。なお、初日のセッション終了後は、会場付近のレストランにてレセプションが開催されました。国の垣根を超えて研究者同士が親睦を深めるとともに、今後の研究についての意見交換が行われ、大変有意義な機会となりました。各国の学生同士が交流できたことも非常に意義が大きかったです。

また、翌日の8月23日の午前中には、ポスドクや博士課程の学生を中心とした若手研究者による発表が行われました。将来、この分野を担っていく次世代のグローバル人材を育成するというのが、本プログラムの目的の一つですが、まさに、その目的に沿った取り組みであり、一生懸命に自分の研究成果を英語で発表する若手研究者に大きな期待を感じました。

シンポジウム参加者による集合写真

今回のキックオフシンポジウム全体を通して、5年間の本プログラムの幕が非常に順調に上がったという強い印象を受けました。今後3か国の研究者が協力して、本プログラムならではの成果が生み出されていくことが期待されます。