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このたび、大阪大学免疫学フロンティア研究センター(WPI-IFReC) 特任教授 坂口志文先生のノーベル生理学・医学賞受賞が決定されましたことを心よりお祝い申し上げます。
先生の研究は、免疫応答の制御という生命現象の根幹に迫るものであり、その長年にわたる地道な基礎研究の積み重ねが、今回の世界的な評価へと結実いたしました。
今回受賞理由となった主な研究は、坂口先生が1995年に発表された、免疫応答の制御において中心的な役割を果たす制御性T細胞の発見です。以降も制御性T細胞の分化に必須である転写因子Foxp3の発見など、坂口先生の制御性T細胞に関する様々な成果が科学研究費助成事業(科研費)により支援されてきました。坂口先生は免疫学の世界的研究拠点であるWPI-IFReCで活躍され、長年にわたる先生の研究が世界的に高く評価されたことを大変嬉しく存じます。
日本学術振興会(JSPS)では、科研費をはじめとする諸事業を通じて研究者の自由な発想に基づく独創的・先駆的な研究への支援を行っております。
このたびの受賞決定は、こうした基礎研究の継続的な支援の意義を示すものであり、基礎研究に携わる人々や若い研究者たちに、大きな勇気を与えるものです。
日本学術振興会としては、これからも、研究者の自由な発想から生まれた多様で独創的な研究や、若手研究者の挑戦を支援していくことで、イノベーションの源泉である学術研究を通じて世界の発展に一層貢献できるよう、その役割を果たしてまいります。
独立行政法人日本学術振興会 理事長
杉野 剛
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