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北川進先生 ノーベル化学賞受賞決定にあたっての理事長メッセージ

京都大学理事・副学長/物質-細胞統合システム拠点(WPI-iCeMS)特別教授(前拠点長) 北川進先生のノーベル化学賞受賞が決定されましたこと、心よりお祝い申し上げます。

北川先生は、今までにない新しいタイプの多孔性材料(多孔性配位高分子)を開発され、そこに大量の気体の取り込みや選択的ガス吸着が可能なことを世界で初めて立証されました。この研究は、エネルギー・環境・医療分野の問題解決に大きく貢献すると期待されています。

こうした研究は、1990年代から科学研究費助成事業(科研費)により支援されてきました。長年にわたる先生の研究が世界的に高く評価され、今回の受賞にいたりましたことを大変嬉しく存じます。

先生は本会が事務局を務める世界トップレベル研究拠点プログラム(WPI)の拠点の一つ、iCeMSの拠点長としても、材料化学と生命化学の融合による国際的な研究拠点の発展を先導して来られました。さらに、北川先生には、平成16(2004)年から3年度にわたって、本会の学術システム研究センターの専門研究員を務められ、学術研究の振興に深くご尽力いただきました。

このたびの先生のノーベル化学賞受賞は、学術研究に携わる多くの研究者、ならびにこれからの時代を担う若き研究者の皆さんにとって、限りない希望と力強い励ましとなるものでしょう。

日本学術振興会では、科研費をはじめとする諸事業を通じて研究者の自由な発想に基づく独創的・先駆的な研究への支援を行っております。これからも、その役割を全うし、学術を通した世界の発展に一層寄与してまいります。

独立行政法人日本学術振興会 理事長
杉野 剛