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JSPS在中国日本人研究者ネットワーク設立大会(報告)

2014年9月19日(金)、中国·北京において、在中国日本人研究者ネットワーク設立大会が開催されました。日頃御研究でお忙しい研究者の方々にお集まりいただきました。在中国日本人研究者ネットワークとは、中国国内の大学その他の公的研究機関で研究に従事されている在中の日本人研究者の方々の情報交換や活動報告を活発に行っていただこうという目的で作られました。JSPS北京研究連絡センターが本年より開始した新しい取組です。現在10月時点での会員数は、31名です。会員のほとんどが北京の大学や研究施設で研究を行っています。今回の設立大会には、13名の会員の方々にお集まりいただきました。

今回の設立大会では、ネットワーク設立を記念して中国側及び日本側から二名の先生方に講演を行っていただきました。中国側は、人民大学教育学院·厳平教授に「「学科建設」とは何か:中国における研究様式と業績評価」というテーマで御講演いただきました。ここで使われた「学科」という言葉(中国語)は、日本語では「学部」という意味にあたるそうです。現代の中国の大学の学部における評価の現状や問題点に言及し、主にどのように研究者や学部の業績が評価されているのかを教えていただきました。大学の学部ごとの評価方法の一つとして、今までどういった科研費を獲得してきたのかが重要であるということ、また2014年度に採択された文系の重点項目についても述べられました。日本人研究者が中国の大学について持っている素朴な疑問にもお答えいただきました。

厳平教授による講演

一方、日本側は東京工業大学/科学技術振興開発主監·西敏夫特任教授に、「日中学術交流の現場にて」というテーマで御講演いただきました。1985年に初めて中国を訪問されてから、今まで70回以上も中国を訪問されています。日中関係が芳しくない時にも、研究協力を維持しておられました。その豊富な御経験の中で、東京工業大学と清華大学のダブルディグリープログラムに多大なる貢献をされています。今回の御講演では、ダブルディグリーを立ち上げる上での日中の大学制度の違いについてや中国の大学の先進的な取り組みについて教えていただきました。また、現在の日本の大学に不足している部分等も研究者の目線で述べていただきました。

西敏夫特任教授による講演

お二人の御講演を聞かれた在中日本人研究者ネットワークの会員の方々からは、「日中の大学両方の研究者から話を聞ける良い機会であった」、「自分の研究分野とは異なる分野の話が聞けて良かった」という意見をいただきました。また、本ネットワーク会合全体については「加入者が少ないので、もっと広報をして増やしてほしい」、「中国に来たばかりだったので、人脈を作る機会となった」等の意見をいただきました。

今後も、研究分野の異なる研究者の方々が互いに中国での活動や日中間についての協力に関する情報を交換する場とともに、当センターとの意見交換等を行う機会を設けていく予定です。

☆在中国日本人研究者ネットワークについては、以下のHPを御覧ください。

http://www.jsps.org.cn/jspsbj/site/rbrjp/rbrdljp.htm