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第4回日中科学フォーラム「低炭素都市と経済」(報告)

2011年11月21日(月)-22日(火)、海南省海口市において、日本学術振興会(JSPS)と中国国家自然科学基金委員会(NSFC)の共催による第4回日中科学フォーラムが開催されました。

本フォーラムは、科学技術分野における日中両国の共通の課題について、代表的研究者同士の幅広いネットワークを構築することを目的に、2007年度より毎年異なるテーマにより企画·開催されているものです。今回のフォーラムは、当初、科学技術振興調整費「アジア科学技術コミュニティ形成戦略:機動的国際交流」の一環として、今年3月に開催が予定されていましたが、東日本大震災の影響によりその開催が急きょ中止となり、今年度に当センターが主催する会議として改めて開催されることとなりました。今回は「低炭素都市と経済」をテーマに、海南低炭経済政策与産業技術研究院(LCDI)の協力と、以下の組織委員のもとで、フォーラムは運営されました。

■座長
(日本側)
小宮山宏 三菱総合研究所理事長
(中国側)
郝吉鳴·清華大学教授
■コーディネーター
(日本側)
※メインコーディネーター
藤野陽三 東京大学大学院工学系研究科社会基盤学専攻教授
※サブコーディネータ-
井村秀文 横浜市立大学グローバル都市協力研究センター特任教授
薛進軍·名古屋大学大学院経済学研究科附属国際経済政策研究センター教授
花木啓祐 東京大学大学院工学系研究科都市工学専攻教授
(中国側)
李恵?·ハルビン工業大学教授

今回のフォーラムには、日本側から17名、中国側から16名の第一線で活躍している研究者が講演者として参加した他、同分野の研究者やテーマに関心のある学生ら約50名が集まりました。

開会式においては、加藤久日本学術振興会国際事業部長、張永涛中国国家自然基金委員会国際合作局アジア·アフリカ及び国際組織処副処長によって両主催機関からの開会の挨拶が述べられました。続いて、傅国華海南大学副学長、小宮山宏三菱総合研究所理事長(藤野陽三東京大学大学院教授による代読)により祝辞が述べられました。開会式に続いて、基調講演(4回)及び特別講演(1回)、分科会(10セッション)による講演が2日間にわたり行われ、循環型都市、環境都市づくり、都市交通、都市の水、省エネ型街区設計、都市気候、環境経済·政策などの多岐にわたるトピックスに関する有意義な議論が数多く展開されました。中でも、「震災と復興」をテーマに行われた河田惠昭関西大学社会安全学部長による特別講演は、東日本大震災の発生を受けて今回のプログラムに新たに加えられたもので、タイムリーでかつシンポジウムのテーマにも深く関連する興味深い内容となりました。

閉会式においては、両国のコーディネーターらにより今回のフォーラムのサマリーがまとめられ、本分野における日中間協力の課題や今後の展望について発表されました。続いて、傅国華海南低炭経済政策与産業技術研究院常務副院長、佐々木衞日本学術振興会北京研究連絡センター長により、「低炭素都市と経済」の分野をはじめ両国が直面する様々な課題の解決のために、引き続き日中間の学術交流が促進されるよう尽力したいとの決意が述べられ、フォーラムは締めくくられました。

また、フォーラム両日の夜には、日本学術振興会と海南大学がそれぞれ主催するレセプションが開催され、フォーラム終了後の翌日には、ボアオ·アジア·フォーラムの会場等の視察が行われる等、両国の研究者間の親睦も図られました。